2018年09月07日
JAXA 見学
こんにちは。
お久しぶりです。
ながらくあけてしまいましたが、アルプスの仲間たちはだいたい皆元気です☆☆
8月29日。アルプスのアクティビティはJAXAの見学。JAXAとは宇宙航空研究開発機構。恩納村にあり、近くを通って道路の案内に「宇宙」の文字をみた人も多いと思う。
宇宙関係の施設なんか絶対に入れないと思いきや、見学もできる。申し込みはかなり前もってしていないと見学できないそうで、これは人気のため人数の調整なのか、それとも審査でもあるのかとも思ってしまう。
朝アルプスに集合してから出発。いつもながら道中は賑やかで、シラフを満喫している。
お弁当を買い込み、目指すは恩納村の海。そこでお昼を食べようというプラン。参加者多数で施設長の岡田さんも今日は運転だ。
そういえば彼はこちらに向かっているだろうか......。
今回はなんと、アルプスの卒業生が利用中の仲間に混ざってのアクティビティという、その初の記念すべき日でもあるのだ。
アルプスが開所して約5年。それで初めてって.......、アルプスってひょっとして微妙なとこなんじゃ。。。
そう思うことはいたって普通の感覚だと思う。ただ我々依存症の当事者たちは解ってる。そうじゃない。それだけ難しい病気なんだと。
回復のプログラムはちゃんとある。やり方もまず間違いのない方法がある。徹底して取り組めば必ず回復するものだ。
でも、依存症は否認の病で、プログラムも否定したり、なかなか人の言うことも聞かない。疑ったりもするし、後回しにしたりサボったり、ごまかしたりもする。
だから依存症になったとも、依存症になったからそうなったとも言える。本人の問題でもあり、本人の周りも大きく関係していることも多々ある。やる気があっても環境や境遇に左右されないわけでもない。
そんななか、そういえばOBの仲間Kくんは、この辺ちゃんとしっかり取り組んでるなあ。マジで見習おう。いやでも彼は、、とかすぐやらない理由を探してしまったりも、きっと多くの仲間もよくあることなんだろうな。
お昼ご飯を食べた場所は、綺麗な海から道路を挟んだ駐車スペース。ちょっとうーんな場所なような。。。みんなで縁石に一列に座って食べる。なぜか靴が一足木の下にあったりした。
こんな場所でも、いやだいぶ微妙な場所だからこそ、仲間といると面白くてしょうがない。木陰は涼しいし、恩納村の海も空も最高に綺麗な日だ。
その後JAXAに。そこでOBのKくんと合流。Kくん、笑顔も健康的で元気そうだ!
といっても、アルプスの現役利用者の中には、しょっちゅうKくんと会ってる仲間も少なからずいる。自助グループに通ってる仲間だ。Kくんも、アルプス利用中も卒業してからもちゃんと通い続けている。
自助グループは卒業がない。いつまでもいられる居場所だし、またいつまでも居るべき場所でもある。Kくんともこれから長い付き合いになるだろう。
仲間のことを、『友達以上、家族未満』という捉え方もあるようだ。これとっても適切な感じだと思う。
それでJAXAだけど、みんなで宇宙の開発や研究なんだし、ハイテクのかたまりで壮大で広大な未知の世界を垣間見れると期待してたんだけど、見学スペースはわりとローテクだった。
入ってすぐの人口衛星関連と宇宙飛行士のブース。
宇宙飛行士さんへの子どもたちから手書きの応援メッセージ。メッセージはあたたかく微笑ましく和むものだった。ぼくはしょう来うちゅうひこうしになりたいです。
衛星放送の映ったテレビがある。こちらではBS放送の人口衛星を管理してる。しかし画面には料金未納のテロップが鈍く映っていた。
次のブースはロケット打ち上げ関連。
パソコンでロケット打ち上げのシミュレーション?ゲーム?ができる。マウスでロケットの軌道修正するというもの。しかも左右のボタンにドラッグやスクロールも組み合わせての操縦で、異様な難易度。
トライした全員が打ち上げ失敗。中には点数が0点の仲間もいた。
常軌を逸したゲームバランスで、こんなもん話になるかというレベルだった。JAXAの職員さん、一般とは考え方や感覚が違う次元なんじゃ.......。
次。宇宙関連の書籍やプリクラもどき。ダンボールと手鏡で作られた宇宙飛行士選抜試験の試験器具みたいなののあるブース。
このブース、宇宙航空研究開発機構の言葉の印象とは、ずいぶんイメージが違う。
プリクラもどきは、自分の顔をフレームに収めてシャッターを切ると、宇宙空間で宇宙服を着た自分の顔が合成されるというシロモノで、プリントされて出てくる紙は、カラープリントではあるものの、プリンターが古過ぎるのもあり、色は薄くかすれ、輪郭はぼやけ、プリントにもまあまあな時間がかかる。
できあがったものは、まあどうにもしようがないものと言えた。
ここまでJAXAに不満を述べてるかといったら、そんなことはまるでない。
こういうところを楽しむスキルは、依存症の仲間は、仲間がいればいるほど倍々で高くなる。この変わった能力の高さは、他では考えられないんじゃないだろうか。
次。宇宙飛行士の選抜試験器具。ダンボールの穴を覗くと、手鏡が上から斜め下を向いている。下部分の紙に星型の図形が書いてあり、隙間から手を入れ、その星を鉛筆でなぞる。
こ、これは異常な難しさだ!
俗に言う、難易度 鬼レベル!!
みんなでチャレンジするも、誰もまずできない!なんとか線上にペン先を置けても、上下左右1ミリも動かせん!そんな仲間もいた。つーかそれ自分なんすけどね。
そのあまりの難しさに一同大爆笑だ。他の見学者のグループは淡々とやってたけど、この難易度や出来なさで苦しくなるほど爆笑する仲間たち。やっぱりへんなんだろうけど、これは最高に良い部分に違いない!
盛り上がった。そろそろ帰ろうか。一同なんとなくそういう空気で出口に向かう。
駐車場で少しおしゃべり。いつもながら他愛もないおしゃべりだけど、それができる仲間がいるってほんとしあわせなことだ。
卒業生Kくんが「あ〜あ、もっといたかったなぁ」と。
アルプスの仲間と?JAXAに??
洗練されたセンスの持ち主で、服や靴もお洒落さん。沖縄そばが好き。旅好き。そしてJAXAみたいな所も好きなんだそうだ。
いろんな仲間の個性もまた面白い!
仲間との関わりや仲間への興味って、回復の、人間関係の生きずらさの回復の重要なポイントだ。
久しぶりの投稿で、いつにも増して仲間といることを書いちゃいましたが、ほんとに重要なことで、かつ自信を持ってすすめられる楽しいことなんですよ!
「仲間といると、どこに行っても楽しいんですよね」
ある仲間がふと言ったひとことだけど、ほんとにその通りだよね!!!
< 文章&写真 利用者 依存症のハル >
お久しぶりです。
ながらくあけてしまいましたが、アルプスの仲間たちはだいたい皆元気です☆☆
8月29日。アルプスのアクティビティはJAXAの見学。JAXAとは宇宙航空研究開発機構。恩納村にあり、近くを通って道路の案内に「宇宙」の文字をみた人も多いと思う。
宇宙関係の施設なんか絶対に入れないと思いきや、見学もできる。申し込みはかなり前もってしていないと見学できないそうで、これは人気のため人数の調整なのか、それとも審査でもあるのかとも思ってしまう。
朝アルプスに集合してから出発。いつもながら道中は賑やかで、シラフを満喫している。
お弁当を買い込み、目指すは恩納村の海。そこでお昼を食べようというプラン。参加者多数で施設長の岡田さんも今日は運転だ。
そういえば彼はこちらに向かっているだろうか......。
今回はなんと、アルプスの卒業生が利用中の仲間に混ざってのアクティビティという、その初の記念すべき日でもあるのだ。
アルプスが開所して約5年。それで初めてって.......、アルプスってひょっとして微妙なとこなんじゃ。。。
そう思うことはいたって普通の感覚だと思う。ただ我々依存症の当事者たちは解ってる。そうじゃない。それだけ難しい病気なんだと。
回復のプログラムはちゃんとある。やり方もまず間違いのない方法がある。徹底して取り組めば必ず回復するものだ。
でも、依存症は否認の病で、プログラムも否定したり、なかなか人の言うことも聞かない。疑ったりもするし、後回しにしたりサボったり、ごまかしたりもする。
だから依存症になったとも、依存症になったからそうなったとも言える。本人の問題でもあり、本人の周りも大きく関係していることも多々ある。やる気があっても環境や境遇に左右されないわけでもない。
そんななか、そういえばOBの仲間Kくんは、この辺ちゃんとしっかり取り組んでるなあ。マジで見習おう。いやでも彼は、、とかすぐやらない理由を探してしまったりも、きっと多くの仲間もよくあることなんだろうな。
お昼ご飯を食べた場所は、綺麗な海から道路を挟んだ駐車スペース。ちょっとうーんな場所なような。。。みんなで縁石に一列に座って食べる。なぜか靴が一足木の下にあったりした。
こんな場所でも、いやだいぶ微妙な場所だからこそ、仲間といると面白くてしょうがない。木陰は涼しいし、恩納村の海も空も最高に綺麗な日だ。
その後JAXAに。そこでOBのKくんと合流。Kくん、笑顔も健康的で元気そうだ!
といっても、アルプスの現役利用者の中には、しょっちゅうKくんと会ってる仲間も少なからずいる。自助グループに通ってる仲間だ。Kくんも、アルプス利用中も卒業してからもちゃんと通い続けている。
自助グループは卒業がない。いつまでもいられる居場所だし、またいつまでも居るべき場所でもある。Kくんともこれから長い付き合いになるだろう。
仲間のことを、『友達以上、家族未満』という捉え方もあるようだ。これとっても適切な感じだと思う。
それでJAXAだけど、みんなで宇宙の開発や研究なんだし、ハイテクのかたまりで壮大で広大な未知の世界を垣間見れると期待してたんだけど、見学スペースはわりとローテクだった。
入ってすぐの人口衛星関連と宇宙飛行士のブース。
宇宙飛行士さんへの子どもたちから手書きの応援メッセージ。メッセージはあたたかく微笑ましく和むものだった。ぼくはしょう来うちゅうひこうしになりたいです。
衛星放送の映ったテレビがある。こちらではBS放送の人口衛星を管理してる。しかし画面には料金未納のテロップが鈍く映っていた。
次のブースはロケット打ち上げ関連。
パソコンでロケット打ち上げのシミュレーション?ゲーム?ができる。マウスでロケットの軌道修正するというもの。しかも左右のボタンにドラッグやスクロールも組み合わせての操縦で、異様な難易度。
トライした全員が打ち上げ失敗。中には点数が0点の仲間もいた。
常軌を逸したゲームバランスで、こんなもん話になるかというレベルだった。JAXAの職員さん、一般とは考え方や感覚が違う次元なんじゃ.......。
次。宇宙関連の書籍やプリクラもどき。ダンボールと手鏡で作られた宇宙飛行士選抜試験の試験器具みたいなののあるブース。
このブース、宇宙航空研究開発機構の言葉の印象とは、ずいぶんイメージが違う。
プリクラもどきは、自分の顔をフレームに収めてシャッターを切ると、宇宙空間で宇宙服を着た自分の顔が合成されるというシロモノで、プリントされて出てくる紙は、カラープリントではあるものの、プリンターが古過ぎるのもあり、色は薄くかすれ、輪郭はぼやけ、プリントにもまあまあな時間がかかる。
できあがったものは、まあどうにもしようがないものと言えた。
ここまでJAXAに不満を述べてるかといったら、そんなことはまるでない。
こういうところを楽しむスキルは、依存症の仲間は、仲間がいればいるほど倍々で高くなる。この変わった能力の高さは、他では考えられないんじゃないだろうか。
次。宇宙飛行士の選抜試験器具。ダンボールの穴を覗くと、手鏡が上から斜め下を向いている。下部分の紙に星型の図形が書いてあり、隙間から手を入れ、その星を鉛筆でなぞる。
こ、これは異常な難しさだ!
俗に言う、難易度 鬼レベル!!
みんなでチャレンジするも、誰もまずできない!なんとか線上にペン先を置けても、上下左右1ミリも動かせん!そんな仲間もいた。つーかそれ自分なんすけどね。
そのあまりの難しさに一同大爆笑だ。他の見学者のグループは淡々とやってたけど、この難易度や出来なさで苦しくなるほど爆笑する仲間たち。やっぱりへんなんだろうけど、これは最高に良い部分に違いない!
盛り上がった。そろそろ帰ろうか。一同なんとなくそういう空気で出口に向かう。
駐車場で少しおしゃべり。いつもながら他愛もないおしゃべりだけど、それができる仲間がいるってほんとしあわせなことだ。
卒業生Kくんが「あ〜あ、もっといたかったなぁ」と。
アルプスの仲間と?JAXAに??
洗練されたセンスの持ち主で、服や靴もお洒落さん。沖縄そばが好き。旅好き。そしてJAXAみたいな所も好きなんだそうだ。
いろんな仲間の個性もまた面白い!
仲間との関わりや仲間への興味って、回復の、人間関係の生きずらさの回復の重要なポイントだ。
久しぶりの投稿で、いつにも増して仲間といることを書いちゃいましたが、ほんとに重要なことで、かつ自信を持ってすすめられる楽しいことなんですよ!
「仲間といると、どこに行っても楽しいんですよね」
ある仲間がふと言ったひとことだけど、ほんとにその通りだよね!!!
< 文章&写真 利用者 依存症のハル >
Posted by アルプスセンター at 11:52│Comments(0)